ハンマーナオに学ぶプロの条件

季節の変わり目には学生時代に読んでいた本や漫画を読み返す。それは当時スルーしていたエピソードや登場人物の言動にひっかかることがあるから。

「ゲロ道」って聞いてピンとくる人もいるかな?そうです「はじめの一歩」。

「はじめの一歩」は1989年から少年マガジンで連載中のボクシング漫画で、母子家庭で虐められっ子だった幕之内一歩がボクシングを通して成長してく物語で、現在98巻(継続中)まで出ている長寿ボクシング漫画。

現在進行形で継続している漫画だし、主人公以外のキャラクターの成長やエピソードも豊富なので見所も多いんだけど、地味なのでスルーしていたハンマーナオ戦で思うことがあり、ここにまとめておく。

一歩が千堂をくだし新人王を穫った頃、初めて一歩に山田君という後輩ができる。
山田君も一歩と同じ母子家庭で虐められやすい性格だったが、一歩を慕い練習に励むことでプロライセンスを獲得。しかし、その後家庭の都合で彼は青森に引っ越すことになり、2人は離ればなれに。

それから2年の月日が経ち、一歩は伊達、千堂、真田というライバル達との戦いを経て、
フェザー級日本チャンピオンになる。
しかし、2度目の防衛戦のチャレンジャーがその山田君だった!という話。

結論から言ってしまうと、チャンピオンになった一歩が甘さを捨てるために、
自分の「影」と戦うことで未熟な自分を乗り越えるというエピソードなんですよね。
このエピソードの後からは鷹村の世界戦に入るので、恐らく一歩の成長譚の区切りにするつもりだったんでしょう。

日本フェザー級タイトルマッチ幕之内一歩vsハンマーナオ戦の前半部。
やっぱり甘い性根が出てしまう一歩と、
引退を掲げ、がむしゃらに戦う山田君。

そんな勝負に徹しきれない一歩に、
鴨川会長が檄を飛ばす。

鴨川会長「貴様にプロの条件というものを教えてやろう。

与えられた仕事をこなすこと。
客の要求に応えるということ。
そして、もうひとつ、勝負に徹するということじゃ。

この3つを満たさなければ本当のプロボクサーとはいえん。
心してコーナーを出ろ!」

空振りしたふりをした右手で相手のガードをこじあけ、みぞおちにボディーブロー(ソーラーブレキサスブロー)という反則をしてでもボクシングに徹する山田君。

鴨川会長「反則のコールはされておらん、
あれはハンマーナオがリングで生き残るために編み出した技術なのじゃ!
勝つためには手段を厭わない。ある意味プロとして純粋な姿。
ワシがセコンドなら、してやったりとほくそ笑むわい。
ハンマーナオが上手い。そして小僧が甘いのだ!」

「プロ」とは何か?考えさせさられる鴨川会長のコメントでした。

しかしながら、山田君がまっすぐ無邪気に一歩に憧れる故に感情移入してしまい、
山田君が一歩を成長させるためのキャラクターだと分かっていても、
「結局、最後までかませ犬かい!!」と涙ながらに突っ込んでしまいました。
泣かせるね、まったく。

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